健康経営における職場の課題

健康経営の取り組みにおいて、従来の取り組みは中年男性社員をメインターゲットとしたものといえそうです。厚生労働省の国民健康・栄養調査2017年によれば、肥満者(BMI: 25以上)の比率は、女性が20.6%であるのに対し男性は31.3%と高く、特に40〜50代男性では35%程度となっていて、メタボ対策に取り組む重要性がわかります。
一方、女性社員に対する健康経営では、性差を考慮して取り組むことが大切です。

女性の健康経営を考えているか

女性が抱える健康課題では、肥満以外にもBMIの18.5以下の値を示す痩せすぎの女性も多く(11.6%)、過去10年間でも増えています。
リフレッシュする女性社員
また、健康日本21推進フォーラム「疾病・症状が仕事の生産性等に与える影響に関する調査」(2013年)では、男女労働者を対象とした調査であるにもかかわらず、生産性に影響を及ぼした健康上の問題や不調として挙げられていたのが、3位/月経不順やPMS等による不調でした。

 

これは、1位/メンタルの不調2位/心臓の不調に続くもので、職場において大きな問題となっている証左です。この点から、男性目線だけでなく、女性を意識した健康増進への配慮ができているかが大きな課題となっています。

責任者が知っておくべき課題

少々古いが2013年3月に行われた、20〜69歳男女2400人を対象とした調査ものから以下の疾病を認識したと取組みが必要であることがわかります。

健康責任者が知っておくべき、社員のメンタルヘルス・生活習慣病

以下、仕事への負の影響が大きい順に並べてみました。こうしてみると、職場で取り組む順位も考えやすくなります。足りていること、足らないことを考慮し、外部に委託するか、社内で人材を求めるかを検討することが大切です。選考は肩書でなく、当事者として良い結果を出している人を探しましょう。実践的なアドバイスが期待できます。

1 メンタル面の不調(不眠、不安感、イライラなど)
2 心臓の不調(不整脈、狭心症など)
3 月経不順・月経前症候群などによる不調
4 片頭痛、慢性頭痛
5 呼吸器の不調(COPD、肺気腫、ぜんそくなど)
6 胃腸の不調(逆流性食道炎、胃酸過多など)
7 腰痛
首こり・肩こり
9 眼の不調
10 花粉症などのアレルギー性鼻炎
11 糖尿病予備軍
12 糖尿病

健康責任者が取組むべき課題

片頭痛の女性社員

社員の健康管理が重要だというのが、健康経営の目的です。では、何から手をつけるべきかというのは、現在各社で行っている健康診断のデータや他の取り組み、また社員の実際の体形や様子に応じて異なります。

  • プレゼンティズム(疾病就業)
  • アブセンティズム(欠勤・休職など)

にならない基本を理解し、社員が不調に陥る要素が何であるかを知っておくことは、非常に重要です。健康診断からだけでなく、その対象にならない要素からも実はプレゼンティズムに陥る社員は多いものです。そこで、以下にその要素を記しておきます。

社員の健康を図るバロメーター

健康状況を推し量るのには何かしら基準や見た目から分かりやすいものがあると、社員の健康へのアドバイスや取り組みに生かしやすくなります。そこで、健康診断以外の主な要素のいくつかを示しました。

着目対象 主たる知るべき要素
全身の姿勢 左右差と捻じれの大きさ
歩き方 股関節の可動域と一歩の大きさ、O脚、X脚など
骨盤まわりの筋肉のつき方 太腿やハムストリングス、臀部など
肩と頭の位置 肺の活性、首の緊張、顎関節、頭痛など
腹囲の大きさ 腹部のゆるみ、肥満や痩せ度など

バロメーターが気になったら健康セミナー開催

上記に掲げた体の不調や異常は、年齢に関係なく大なり小なり気になっているのではないでしょうか。まずは職場の健康責任者は、職員の自分のからだに対する意識を再確認する意味で、健康セミナーを開催することをお勧めします。

 

年齢に関係なく、見た目にはわからなくても様々なトラブルを抱えていると考える必要があります。特にパソコンやスマホが普及していますから、首こり・肩こりばかりでなく、姿勢の悪化が非常に気になります。やがて異常が酷く顕在化した時には、治そうにも非常に時間がかかることが想定されます。

 

また事業の種別によっては、従業員の高齢化が否めない業態・業種があります。生活習慣病は発症する前には、大事にならずに済ませることができます。もちろんコツやポイントがありますから、職員の健康への動機づけや対処法を考えるうえで、テーマを絞って『健康セミナー』を開催してみてはいかがでしょうか。

健康経営における職場の課題記事一覧

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心臓は鼓動が不快であれば、仕事への影響も大きくなります。心臓疾患や異常は、不整脈、狭心症、弁膜症、心筋梗塞などで、症状にも動悸や息切れ、浮腫み、痛みや発作とこれらからくる不安も大きいものです。東洋医学では心臓病は水毒だといいますが、この指摘は重要だと考えています。歩くことや血液の流れを促すことが一番ですが、体調によってこれが出来ないときでも緩やかに下半身の筋肉を増やすソフトな運動から始める方法もあ...

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頭痛なんて個人の体質でしょう?「病院に行きなさい」というアドバイスが聞こえてきそうです。しかし、たいていの人は既に病院で診察を受けているはずです。それほど気になる疾病です。肩こり、首こりは放置されがちですが、頭痛は部位が部位だけに心配になるからかもしれません。その割に頭痛の原因をしっかり医師から説明されたり、一過性のクスリの服用だけですべての症状がなくなったというのなら問題ないでしょう。けれどもし...

呼吸器系疾患の多くは感染症ですが、『肺の生活習慣病』あるいは『たばこ病』ともいわれるCOPDといわれる慢性閉塞性肺疾患は、かつて慢性気管支炎、肺気腫と呼ばれていた2つの病気を併せて、COPDと呼んで世界の共通病名として統一されてました。その点からは、職場においてタバコの喫煙や受動喫煙に対しては十分気をつけたいものです。

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職場で慢性的な肩こりに悩んでいる人は多いのではありませんか。1日の生活時間を考えると、パソコンに向かったり、スマホを見たりする時間がなんと多いことでしょう。腰痛の不安を払しょくし、ヘルスリテラシーを高めるために克服すべき課題のひとつです。腰痛の原因体の重心が保たれて左右差を感じないようなS字カーブがあるうちは問題がありません。しかし、デスクワークが長すぎたり、歩かない生活習慣が続いて深層筋が硬直し...

職場で慢性的な首こり・肩こりに悩んでいる人は多いのではありませんか。1日の生活時間を考えると、パソコンに向かったり、スマホを見たりする時間がなんと多いことでしょう。首こり・肩こりの原因体の重心が保たれて、その両肩の真上に頭があるうちは問題がありませんが、骨盤が倒れて体のS字カーブが崩れていくと肩回りの僧帽筋などの負担が増して、強烈な肩こりになりやすくなります。原因の本質は、姿勢が悪いことですが、肩...

目の不調というと、最初に指摘されるのが眼精疲労です。何となく目が重いと感じる人は現代社会で特にパソコンが普及してから急速に増えました。目の動きに注目すると、パソコンのモニター画面をジッと見つめたまま瞬きの回数が極端に少なくなっていることに気付きます。この為、意識してジッと見つめることを減らす、意識を持つことが大切です。これを放置すると、ドライアイのような症状になって現れます。眼のトラブルその他にも...

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糖尿病は、発症の自覚に個人差があるようです。筆者の体験では食事をすることも怖くなるほど、ちょっと食べる量が一定量を超すと気分が悪くなり、同時に著しく喉が渇き、絶えず水が欲しくなりました。さすがにこれは大変なことになったと思い、必死でネットで情報を探りました。行き着いたのは、シンプルな対応です。糖尿病に効くという煎じたお茶を飲みだけです。しかし、食事は従前のように喉を通りません。先ず始めたのことが、...

がんは日本人の生涯発症率は、今や男性63%、女性48%にも達しています。長寿に伴い増えていることは確かなようですが、罹患率や発症部位などを知り、若年で職務に業務体制に影響のないようにすることが可能なのでしょうか。がん|死亡率第1位の病気今日では日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡というデータがあります。また、3人に1人が就労期間中にがんになっているともいいます。既に死亡原因の一...

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