女性の痩せすぎの大問題|ヘルスリテラシーの高め方

若い女性が痩せすぎというのは、実に気になります。20代に限るとなんと5人に1人が「痩せすぎ」という結果になっているのが日本の女性の現状です。

 

生活習慣病を考えるうえで、肥満がリスクを高めることはよく知られていますが、なぜ痩せすぎると困るのでしょうか。実は痩せすぎた人はぽっちゃりに比べて、むしろガン・心疾患・脳血管疾患などを引き起こす可能性が高まります。さらに、若いからといって極端なダイエット方法を繰り返して、あまりに痩せすぎや過度な日焼け対策・紫外線対策にからくる骨粗鬆症のほか、貧血・免疫力の低下による感染症リスクの高まり、出産時の低体重児の出生率上昇など、ライフステージの絶頂期のはずにもかかわらず、さまざまな健康問題が起きてきます。

 

さらに不規則な生活や食生活の乱れから、不健康な若い痩せすぎ女性が増えています。こうした背景には、単純な「痩せ=良い=美」という誤った価値観が生じているためで、これを見直して自分にあった本当に健康で適度な体重を目指しましょう。

BMI

Body Mass Index(BMI)は身長と体重から計算する肥満指数です。日本肥満学会が決めた判定基準では、BMI22が最も病気になりにくい数値としています。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

痩せ:18.5未満 普通:18.5以上〜25未満 肥満:25以上

日本は、先進国の中でも若い女性の痩せの割合が高いといわれていますので、ぜひ気をつけたい健康経営における重要課題です。

痩せすぎからくる体の不調とリスク

国民健康栄養調査によると、日本人の平均的なエネルギーの摂取量は年々減少傾向で、とくに若い女性では他国に比べて顕著になっています。平成30年国民健康栄養調査で女性の痩せ(BMI=18.5未満)の割合が、総数で11.2%、20〜29歳では19.8%と、5人に1人が痩せという結果になりました。

痩せすぎが引き起こすカラダの不調とリスク

若い時期の痩せすぎは、さまざまなカラダの不調やリスクを伴います。

女性ホルモンの低下

適度な脂肪は女性ホルモンの生成に大切。成人女性の標準的な体脂肪は、20〜29%と言われており、20%未満の人は注意が必要です。
痩せすぎて体脂肪量が減ると月経不順や無月経につながり、それによる不妊のリスクが高まります。

骨粗鬆症

骨密度が最も高くなるのは中学生から20代まで。骨の成長に大切な時期に極端なダイエットを繰り返すと、カルシウムが不足し骨密度が低下してしまいます。
また女性ホルモンが骨を作るもとになるため、痩せすぎと食事量の低下は骨粗鬆症を招きやすくしてしまいます。

貧血・冷え

特に女性に必要な鉄分は食事量が少ないことでより不足しがちに。鉄が不足すると、細胞に十分な酸素を運ぶことができなくなるため、疲れやすい・だるいなどの自覚症状が出てきます。
カロリーを気にしてお肉を食べないなど極端な食事はおすすめできません。鉄分が多く含まれている肉類(赤身)・魚介類(青魚)などのタンパク質や緑黄色野菜からしっかり摂るようにしましょう。殊に女性は、鉄分を効率的に増やすコツを知っておくことが大切です。

糖尿病

「食べすぎ」のイメージが強い糖尿病ですが、欠食などの不規則な食生活によってもリスクが上がります。痩せすぎているとブドウ糖の摂取量が少なくなるため、脳のエネルギー源としてほとんど使われてしまいます。すると、膵臓のインスリン分泌機能が低下してインスリン量が減り、糖尿病になりやすくなります。

低体重児出産のリスク増

20代はこれから出産を迎える世代です。妊娠する前から母体となるカラダに栄養を蓄えておく必要がありますが、痩せすぎていると妊娠時に必要な栄養が十分確保できません。
妊娠前でも母体が痩せすぎていると、妊娠期のトラブルや分娩異常のリスクが高まる可能性があります。
さらに低出生体重児は一般の出生児と比べ、成人になってから生活習慣病になるリスクが優位に高くなることが報告されています。

摂食障害

若い女性で問題となっているのが痩せ願望からくる摂食障害。太ることを恐れて食べることを避けることで痩せていく「神経性食欲不振症(拒食症)」や過食と嘔吐を繰り返す「過食症」があげられます。摂食障害が慢性化すると無月経・低血圧・不整脈などの健康障害を引き起こします。